離乳食支援については、今までは管理栄養士が市の乳幼児健診でしていることが多くありましたが、今では他のライセンスの方々が多様な観点から支援をされています。
口腔機能、母子支援、発達支援等々いろんな視点が混ざりあってより多様にはなるのは、いいことだとは感じてます。
離乳食の主役はというと、もちろんお子さんなのですが、ここ最近は、離乳食支援には『親支援』を一緒に考えることが大事かと私は思うところがあります。
市の乳幼児健診、歯科医院での支援など他にもいろいろと確認すると、
「どう与えるのか」「こんなところの発達をみる」「こうなればこうする」といったことを私達指導者は支援します。
しかし、親はそんなことを望んでいないのです。
自分の頑張っている育児をまずは認めてほしいのです。
私は乳幼児健診では
「育児毎日大変よね、頑張ってるね」「今は何が1番楽しいの?」
等を聴くようにしています。
親が楽しいと思っていることを増やしてあげたいですね。
どんな育児を楽しいと思えるのか、です。
その中でも離乳食は楽しいと言うよりは大変、苦痛と言われるので何とかしたいところです。
離乳食は親子の共同作業、コミュニケーションなのです。
赤ちゃんに乳汁栄養から初めてのスプーンを介して与える離乳食時にどんな反応をするのか不安でなりません。
そしてひと口でも食べられたら
「よかったね、食べられたね」と誉める。
まずはひと口からというのはひとつひとつ積み重ねですので、はじめの一週間はひと口、ふた口でいいのです。
赤ちゃんが食べるのでたくさん与えると、赤ちゃんは誉められることに答えようとして頑張るのです。
しかし何口もはじめの一週間で与えてしまうことで、スプーンが嫌になる場合があります。
よく聞くのは「スプーンを向けると口を開けないのです、嫌がります」
親が焦りすぎです。
だから食べさせるのが嫌になる、別の楽な方法を考えるのですが違います。
慣れるためにも焦らないこと、共同作業とは少しずつしかできないのです。
はじめの一週間はひと口から少しずつで、会話を交わしながら。
食べているもの、食感、味等を話しながら伝えていくこと、まず親子の関係性をしっかりと付けます。
その時の姿勢や与え方、食材などもお伝えはしています。
育児はその日1日で決まることではありません。
今日食べないとダメ、ではないのです。毎日が親も子も違います。
食べることはコミュニケーションの始まりです。親子で楽しく無理なくする『離乳食』という共同作業。
親子で食べることが好きになって、育児に自信を付けてほしい。
その事が今後の親子関係、子どもの自立には必要だと思います。
決して、楽な育児はありません。
離乳食介助、親としての育児の試練でもあるのです。
大きくなったらもっといろいろな試練を、親子は迎えることになる。離乳食は小さな試練です。
その試練を一緒に乗り越え、食べる喜び、楽しく食べることを得てほしいと願っています。
